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【動画付き #21】VLOOKUPの近似一致(TRUE)と完全一致(FALSE)の違いを正しく理解しましょう
- 近似一致と完全一致の違い
- 近似一致の使い方と注意点
今回は、VLOOKUP関数の第4引数である「近似一致」について紹介します。
これまでは完全一致、またの名をFALSEあるいは0という値で第4引数をしてしてきましたが、この近似一致は2つあるうちのもう1つのパターンです。今回は具体的な例を用いて、近似一致の使い方・完全一致との違いについて詳しく解説していきます。
本記事はYouTube『ユースフル / スキルの図書館』チャンネルより、以下の動画を記事にまとめたものです。動画だけではなく、テキストで復習したい方もいるはず。全38の記事と動画を組み合わせて、Excelの基本操作をマスターしていきましょう。
▼前回の記事はこちら
完全一致(FALSE)と近似一致(TRUE)の違い
まずは完全一致との使用用途の違いについて説明してきます。
完全一致 「晴れ」、「雨」などの固有名詞を使って同じ値を検索したいときなどに使う。 近似一致 「13kg」のように「~以上~未満」をいう範囲を持つ数値で検索したいときなどに使う。 |
上記にあるように、完全一致とは固有名詞を使って同じ値を検索したいときに使用します。たとえば、「晴れ」、「雨」などの値をピンポイントで検索したいときのことです。一方で、近似一致は固有名詞ではなく、数値などの値の範囲を持つものを指定するときに役立ちます。
抽象的すぎるので具体的に解説していきます。
まずは上の画像をご覧ください。この表を用いて説明していきます。このシートでは左側にある給与表の各担当者の4月の売上に応じて、歩合給をそれぞれ入力したいという状況だと仮定します。
右側にある歩合給決定表は、基準額が「100円以上1000円未満」の幅だった場合、「評価Eの50円」が歩合給になるという見方をします。
たとえば、岡野さんの4月の売上額は200円なので、歩合給のセルには50円と入力すると固定給と歩合給を足した金額がF5に入力されます。
このように一つ一つ入力していくのも、方法の一つですが、一つ一つ入力するのは手間ですし、入力項目が増える分入力ミスも増えます。
ここでVLOOKUP関数を使用します。
E列4行目に、上の画像のように入力していきましょう。検索値はC列4行目、範囲は歩合給決定表の値を全て選択しましょう。この画像ではH列4行目〜J列9行目を指定しています。必ず範囲を「絶対参照」に指定することを忘れずにしましょう。
そして第4引数に注目。完全一致の場合、上の画像のようにFALSEを選択します。
ではここで、FALSEを選択してEnterキーを押してみましょう。そうすると上の画像のようにE列4行目が「0」になります。
そして、下に「Ctrl+D」でコピーをすると、上の画像のようにエラーになります。
ちなみにN/Aは、利用できないという意味の”not available”の略です。要するに値を参照できませんという意味です。
エラーが出てしまう理由は、今回指定した範囲(H列4行目〜J列9行目)の中に、検索値であるC列4行目の値「200」が含まれていないからです。
つまり、今回のように検索値に固有名詞を指定しない場合の時に、完全一致というパターンを使ってしまうと、エラーが返ってきてしまうのです。
では、エラーが返ってこないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。
そこで用いるのが、今回紹介する「近似一致」です。第4引数の場所に「TRUE」または「1」と入力します。
↑この画像のように書けばOKです。
Enterキーを押すとE列4行目の値は「0」となりました。
このセルを下にコピペすれば、この画像の通り綺麗に値が入力されました。
そして、コンマをつけてあげて、右揃えにするショートカットキー「Alt →H → R」で右側に揃えて完成です。では確認しましょう。
岡野さんの4月の売上は200円で、これは100円以上1000円未満に該当するので、歩合給は50円となります。
次に小川さんをみてみましょう。4月の売上は300,000円で、この300,000という値は、100,000円以上1,000,000円未満に該当するので、歩合給は50,000円になっています。
では、小川さんの4月の売上を1,300,000円に変更したらどうなるのでしょうか。
売上は1,000,000円以上に該当するので、小川さんの歩合給は500,000円に綺麗に変更されました。
このように近似一致という方法は、調べたい検索値に固有名詞ではなく、数値などの値の範囲を持つものを指定するときに役立つのです。
近似一致を使うときに注意点
近似一致をよく使う場面の例としては、今回の例のように、歩合給など「幅を持たせた数値を検索値にするとき」などが考えられるでしょう。ただし、近似一致を使うときは注意点もあります。
<注意点> ① 参照する値は「正の値」でなくてはならない ② 基準値の並びは「昇順」でないといけない |
注意点①:参照する値は「正の値」でなくてはならない
参照する値は必ず正の値にしましょう。
正の値にしなければ上の画像のようにエラーが返ってしまいます。実行するときには必ず、値が正の値になっていることを確認するようにしましょう。
注意点②:基準値の並びは「昇順」でなくてはならない
基準値の並びは昇順にしてから指定しましょう。数値が階段上に並んでいればOKです。基準値が昇順になっていないと、そもそも近似一致のオプションは使えないというところを押さえておいてください。
まとめとおすすめ講座の紹介
今回は「近似一致」の概要と使い方を見てきました。
この記事でのポイントはひとつだけで、「完全一致と近似一致の違いを知る」です。
完全一致 「晴れ」、「雨」などの固有名詞を使って同じ値を検索したいときなどに使う。 近似一致 「13kg」のように「~以上~未満」をいう範囲を持つ数値で検索したいときなどに使う。 |
完全一致と近似一致の両方をマスターすることで、VLOOKUP関数の第4引数を自由自在に使用できるので、ぜひマスターしましょう!
Ctrl+D | 選択範囲内で下方向のセルにペーストする |
Alt → H → R | 選択した値を右揃えにする |
次回記事では、VLOOKUP関数で別シートにあるデータを参照する方法を解説します。