Power Queryとは | 初心者向けに使い方を解説【練習問題付き】

【はじめてでもわかる!】PowerQuery(パワークエリ)とは?

この記事では、Excelの機能の一つであるPower Queryについて解説していきます。前半パートはPower Queryの概要について、後半パートは複数ブックを1つのシートに集計していく実践編です。難しい関数やプログラミングは不要で、マウス操作だけでできます。記事内にはYouTubeの動画解説も貼っていますので、こちらも参考にしてください。

監修者のご紹介

監修者紹介

大垣 凜太郎 -Ohgaki Rintaro-
Youseful(株) Excel・PowerPoint・Word研修講師
慶応義塾大学大学院法務研究科、東京大学大学院工学研究科修了
一般社団法人JTIの専務執行役員として、法務・経営企画を担当。法人対応における統括責任を務め、ビジネス現場におけるMicrosoft Officeツールの利活用を熟知したプロフェッショナル。

監修者紹介

大垣 凜太郎 -Ohgaki Rintaro-
Youseful(株) Excel・PowerPoint・Word研修講師
慶応義塾大学大学院法務研究科、東京大学大学院工学研究科修了
一般社団法人JTIの専務執行役員として、法務・経営企画を担当。法人対応における統括責任を務め、ビジネス現場におけるMicrosoft Officeツールの利活用を熟知したプロフェッショナル。

目次

Power Query(パワークエリ)とは

【Excelの凄い新機能】PowerQuery(パワークエリ)とは?

Power Query(パワークエリ)とは、外部データを抽出・収集して、自分好みに整形できるツールです。操作は意外と簡単で「取って、入れて、出す」だけです。定期的なデータ加工作業をしている方は必見です。「データの整形作業だけで毎日1時間以上を費やしていた」「本来やるべき仕事がおろそかになっていた」という方は、大幅に業務改善できるでしょう。

この記事では「私にもできるかも?」「実務で使ってみたい」「なんか便利そう」と思った方のために、画と図解を交えてPower Queryの基本をやさしく解説します。まずはPower Queryの概要について紹介していきます。

Power Queryはこんな方におすすめ

  • 複数のシートを手作業(コピペをして)で1つのシートにまとめている
  • 毎月、同じような手順で加工を実施している
  • 煩雑なデータを加工して必要なデータを取り出している
POINT】 クエリってどういう意味?

Power Queryのクエリとは、日本語で「問い合わせ」を意味します。データベースに対して「こんなデータをください」といった命令文のことです。
例えば、柴犬の飼い方を調べたい場合、Googleの検索ボックスに「柴犬 飼い方」を入力し検索を実行します。この場合、Googleのデータベースに対して「柴犬 飼い方」というクエリを要求していることになります。同じようにExcelのデータベースでもクエリを使ってさまざまな要求が可能です。

Power Queryでできること

Power Queryが得意とすることはテーブルの整形作業です。具体的に次の項目が挙げられます。地道に手作業していた面倒な作業が一瞬で完了できるのです。

ExcelブックやCSVのデータを整形する

ExcelブックやCSVのデータを取り込んで、テーブルとしてデータを形成できます。またExcelブックの複数のシートを1つのシートにまとめることも可能です。

複数のExcelブックを1つのシートに統合できる

例えば、「1月売上.xls」「2月売上.xls」「3月売上.xls」のように、月別に分かれてしまっているブックがあるとします。Power Queryを使えば、各ブックを開き、シートをコピーしなくても、簡単に1つのシートに統合できます。

WEB上のデータを取り込める

Webに公開されている「都道府県別の高齢化率」をExcelでまとめるとしましょう。これまでは、WebのデータをExcelに貼り付けて見た目が崩れてしまう、またはデータが大きすぎてExcelが固まる、ということもあったかもしれません。Power Queryを使えば、表も崩れず一瞬でExcelに取り込めます。

PDFのデータを取り込める

Web上のデータと同様に、PDFデータをExcelに取り込むことも簡単です。ただし、この機能はMicrosoft 365ユーザーのみ使用可能です。

複数の異なるテーブルを結合できる

見出しが異なる複数のテーブルを使用する際、Vlookup関数のように必要データを取得して結合できます。例えば、ExcelブックとCSVデータの両方に「商品番号」があったとすれば、そのデータを基準に2つの異なるデーブルを1つにまとめられます。

Power Queryの前提条件

Power QueryはExcel 2016からExcelに搭載された標準機能の一つです。基本は[データ]タブからPower Queryを操作していきます。なお、この記事はExcel 2021を使って解説していきます。

[データ]タブ

Excel2010/2013ユーザーはダウンロード

Excel 2010/2013にはPower Queryが標準搭載されていません。Microsoft Power Query for Excel」のリンクからダウンロードして[POWER QUERY]タブを表示してください。Power Queryのアドインは無料です。

Power Queryは、他のツールとはどう違う?

マクロ・VBAとの違い

マクロは一連の操作を自動で実行する機能で、VBAはマクロを記述するための言語です。Power Queryは外部データを取得し、Power Query Editorで変換したものをシートに読み込む機能です。マクロ・VBAでも同じ操作はできますが、プログラミングが不要*であるためPower Queryの方が操作が簡単でしょう。

*Power Query内で自分が行う編集作業が自動でコーディングされるため、基本的にはプログラミングは不要です。ただし、Power Queryでは「M言語」という言語が使用されているので、より高度なPower Queryの活用を求める場合は、M言語の習得が必要です。

Power Pivot(パワーピボット)との違い

Power Queryは抽出と加工までを実施し、Power Pivotはそのデータをもとに、ピボットテーブルやピボットグラフとして集計・分析をします。セットで使うことが多い機能です。

ACCESS(アクセス)のクエリとの違い

Accessとは、Microsoftが提供するデータベース管理ソフトです。Accessのクエリは、テーブルのデータを加工する機能です。できることは似ていますがPower Queryの方がより直感的に操作できます。またAccessのデータベースをExcelにインポートして、Power Queryでテーブルを作ることも可能です。

Power Queryの基本的な使い方

Power Queryで自動集計するためには「データ収集」「データ整形」「データ出力」の工程が必要です。データ出力した後は、「データ更新」をするだけで自動集計が可能となります。4つのステップを理解すると、Power Queryの使い方がイメージできるでしょう。

Power Queryの基本的な使い方

データ取得

まずは、まとめたいデータを指定します。複数のデータや大容量のデータを取り込めますし、内部データ(同じブック内のテーブル)はもちろん、外部データ(異なるファイルやデータベース)も取得可能です。Power Queryと連携できる外部データについては「Excel バージョンの Power Query データ ソース」を参照してください。データ取得は、[データ]タブにある[データの取得]から行います。

※Excelのアップデートにより表示画面が異なることがあります。

データ取得

データ整形

データ取得後にPower Queryエディターが立ち上がります。Power Queryエディターでは、データの変換、転記、結合、挿入、削除、レイアウト変更など、さまざまな編集が可能です。ここで一度、データ整形できていると、次からはPower Queryが自動で整形してくれます(Power Query Editorで行った作業をExcelが勝手に覚えてくれるイメージです)。

データ入力

データ出力

Power Queryエディターで整形したデータをExcelに出力します。統合されたデータは、テーブルの形式で表示されます。

データ出力

データ更新

Power Queryのすごいところは、データを出力後でも、新規データの更新が簡単なところです。例えば、年度が替わり新しい「年度」のExcelファイルがフォルダ内に追加されたときに、関数を組みなおさなくても、自動でテーブルのデータが更新されます。新規のデータを追加した場合でも、データの整形は不要です。データの更新は[クエリ]タブの[更新]ボタンから実行できます。

データ更新

【実践】Power Queryを用いた複数のExcelファイルの統合(練習問題付き)

【はじめてでもわかる!】Power Query(パワークエリ)とは?

ここまでPower Queryの概要を紹介しましたが、ここからは実践編です。今回は「2019データ.xlsx」「2020データ.xlsx」「2021データ.xlsx」の3つのデータを1つのシートに統合していきます。統合できたら、さらに「2022データ.xlsx」のデータを追加して、統合したシートに反映させます。

1.データ取得:年別の複数ブックを取得する

まずは、年別の3つのExcelブックを同一のフォルダにまとめておきます(ここでは「財務データ」というフォルダを作成)。次に新規のブックを作成し、[データの取得]からフォルダを指定して、Power Queryエディターを起動させます。

操作手順

新規のブックを作成しておく
手順①[データ]タブ→[データの取得]→[ファイルから]→[フォルダから]
手順② 3つのブックが入った「財務データ」フォルダを選択→[開く]
フォルダの詳細が表示される

手順③[結合▼]→[データの結合と変換]
[Fileの結合]画面が表示される
手順④[テーブル1]→フォーマットを確認→[OK]
Power Queryエディターが起動する

POINT 】1つのブックから複数シートを取得するには

Power Queryでは複数ブックだけではなく、複数シートを1つにまとめることが可能です。[データの取得]→[ファイルから]→[Excelブックから]を選択して、対象のExcelブックを選択します。下の画面のようにナビゲーターが表示されるので[複数アイテムの選択]にチェックマークを付けましょう。取り込みたいシートにチェックを付けて[データの変換]をクリックします。

次にPower Queryエディターの[ホーム]タブ→[クエリの追加▼]→[クエリを新規クエリとして追加]を選択します。ナビゲーターが表示されたら、連結するテーブルの数を確認して、追加するテーブルを選んで[OK]をクリック。2つのシートが1つのシートにまとめられました。今回の例では「2つのテーブル」にチェックを入れています。

2.データ整形:Power Queryエディターで編集する

Power Queryエディターでデータを整えていきましょう。ここでは不要な列を削除し、「年」と「粗利」の列を追加していきます。粗利は「売上高‐原価」で求めていくことがポイントです。

操作手順

手順①不要な列を削除
└[支社コード]を右クリックして[削除]
*不要な列を選択して[Delete]を押しても削除可能です。

手順②「Source.Name」から年を取り出す
└「Source.Name」列を選択
└[列の追加]タブ→[抽出]→[区切り記号の前のテキスト]→「データ」と入力
└「区切り記号の前のテキスト」列が追加されたので、見出しを「年」に変更
└「年」列をドラッグして先頭へ移動
└「Source.Name」を右クリックして[削除]

手順③粗利の列を追加する
└「売上高」を選択して、[Ctrl]を押しながら「原価」を選択
*選択する順番が重要です。
└[列の追加]タブ→[標準]→[減算]
└「減算」列が追加されたので、見出しを「粗利」に変更

POINT 列を昇順・降順で並び替えるには

列内のデータを昇順・降順に並び替えることも簡単です。列の[▼]をクリックして[昇順で並べ替え]を押すと小さい値順に並び変わり、[降順で並べ替え]を押すと大きい値順に並び変わります。

POINT [適用したステップ]に注目!

手順③まで終わったら右画面にある[適用したステップ]を確認してみてください。自動化する一つひとつのステップ(整形手順)が記録されており、上から下に向かって実行していきます。また操作ステップの順番を入れ替えたり、途中にステップを追加したりすることも可能です。

3.データ出力:Excelに落とし込む

Power Queryエディターでテーブルを整形できたら、Excelに落とし込みましょう。

操作手順

手順①[ホーム]タブ→[閉じて次に読み込む]
手順②[テーブル]を選択
手順③[既存のワークシート]を選択して「=$A$1」と入力
手順④[OK]
Excelのシートに出力されたら、Excelを保存しておく

4.データ更新:新しい年のブックを追加して更新

「財務データ」フォルダに「2022データ.xlsx」のブックを追加して、Excelを更新してみましょう。新規データをフォルダに入れるだけで、一つひとつのブックを開いたり、コピペしたりする必要はありません。勝手に統合されたデータテーブルができあがります。

操作手順

手順①「財務データ」フォルダに「2022データ.xlsx」のブックを追加
手順②[クエリ]タブ→[更新]
2022年のデータが追加された

まとめ:パワークエリは、クリックだけで簡単に集計できる

今回は複雑な数式や関数を入力することなく、複数のExcelファイルを統合することができました。Power Queryと聞くとExcelの上級者というイメージですが、実際はデータを整えて、更新ボタンをクリックするだけで完了するとても簡単な操作です。現在の業務で、定期的なデータ編集業務に追われていたら、ぜひPower Queryを用いたデータ収集・整形を検討してみてください。

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