Excelの条件付き書式をコピーする方法とは?シートの仕組みから徹底解説

Excelの条件付き書式は、データを効率よく取り出して、視覚化できる便利な機能です。データ集計フォーマットとしてコピーして、再利用することで効率的に作業できますが、通常のセルと扱いが異なるため、操作に迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。この記事では、Excelの条件付き書式をコピーする方法について解説します。

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目次

条件付き書式とは|セルに入力されたデータを条件ごとに抽出し、色やスケールを付けられる書式

セル内で条件に基づいた処理を行う機能が「条件付き書式」です。手順通りにコピーができれば、追加で入力したデータも瞬時に処理できるため、作業の利便性が高まります。

条件付き書式を設定する2つの方法

まずは、条件付き書式を設定する2つの方法を解説します。なお、Excel2003以前とExcel2007以降のバージョンでは、設定方法や利用できる関数が異なります。使用する前には、以下を確認しておきましょう。

  • 開く際に表示に使用するバージョンを選択する
  • 作業前に「互換性チェック」を行う
  • 対応していない関数は置き換える、または使用しない

①セルごとに個別で設定する方法

条件付き書式をセルごとに設定する方法について解説します。まず、条件付き書式の設定をしたいセルを選択して、上部メニュー[ホーム]の[スタイル]項目から[条件付き書式]を開きます。その後[新しいルール]を選ぶとダイアログボックスが表示されるため、設定したいルールの種類とルールの内容、書式を入力すれば完了です。

この際、同じ[ホーム]タブに右端の[検索と選択]から[条件を選択してジャンプ]を利用すれば、空白のセルや文字が入っているセル、数式が入っているセルなどを一括で選択できます。特定のセルのみに書式を入れたい場合には、この機能を活用するとよいでしょう。

②シートごとに一括設定する方法

A1セルの左上にある三角形([すべてを選択]ボタン)をクリックしてシート全体のセルを選択した後、前述した「セルごとに設定する方法」と同様に設定します。

なお、GIF画像で示している、範囲ごとやシートごとに「特定の文字列を設定する」条件は、Excel1997〜2003までとExcel2007以降で異なります。

条件付き書式を他のセルにコピーする2つの方法

条件付き書式は、上部メニュー[ホーム]の左側[クリップボード]にある書式のコピー/貼り付け]をクリックすることで、選択範囲をコピーできます。ただし、同じ形で貼り付けるのではなく、指定した範囲を既にある条件付き書式の範囲として含めたい場合もあります。この章では、条件付き書式を他のセルにコピーする方法について解説します。

①オートフィルを利用する方法

先頭の行に条件付き書式を設定して、適応させたい行や列などにマウスを合わせて、フィルハンドルを掴んだままドラッグさせると、自動的に書式が反映されます。このとき、コピーされた条件付き書式が、比較対象としてどのセルを参照しているか確認しましょう。

オートフィルのやり方

②「条件付き書式の管理」を利用する方法

「条件付き書式の管理」の機能を利用して書式をコピーすることも可能です。[ホーム]→[スタイル]→[条件付き書式]→[条件付き書式の管理]を選択して設定します。2つ以上のルールを設定した場合は[ルールを満たしたら停止]という機能も利用できます。

例えば、「値についてAとBという2つの条件を満たしているか判定が必要だが、値がAという条件を満たしていればBは無視する」という場合に使用するとよいでしょう。

条件付き書式を他のセルにコピーさせない2つの方法

条件付き書式のついたシートやセルは、範囲選択→[条件付き書式]→[ルールの管理]の順で管理することが可能です。ここでは、条件付き書式を削除する方法について解説します。

①ルールのクリアを利用する方法

書式を全て削除する場合は[条件付き書式]の項目から[ルールのクリア]を選択します。ただし、この機能を利用した場合、そのシートにある全ての条件付き書式が削除されるため気を付けましょう。

②一部の書式のみクリアする方法

書式をクリアしたいセルを選択後、[ホーム]→[スタイル]→[条件付き書式]→[ルールのクリア]→[選択したセルからルールをクリア]を選択すれば、一部の範囲の書式設定を削除できます。

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条件付き書式がコピーできない場合

範囲指定が上手くいかないと、条件付き書式のコピーができないことがあります。ホームタブの[条件付き書式設定]→[ルールの管理]から、適用先のテキストボックスをクリックすると、書式が適用されているセルを確認することが可能です。条件付き書式がコピーされていない場合は、以下の方法をお試しください。

参照しているセルが間違っている場合

参照しているセルが間違っている場合、書式が誤って表示されてしまいます。条件付き書式を設定する際は、比較対象のセルがどのような方法で参照されているかを確認しておく必要があります。セル番号を指定する際に[F4]キーを押すことで、行番号か列番号、或いはその両方に[$]が付けられます。この[$]の付き方によって参照方法が異なります

①相対参照

[$]がついていない参照方法です。周囲のセルの位置関係のみで値を導き出すため、書式が別の場所に設定された場合には、位置関係に応じて参照するセルが変更されます。

②絶対参照

行と列の双方に[$]がついており、書式が設定される場所が変わっても参照箇所が変更されない参照方法です。

③複合参照

行のみまたは列のみに[$]が書かれた参照方法です。[$]がついた側は固定された状態で、もう片方のみが位置関係によって変動します。(絶対参照の1種とされることもあります)

コピー元の箇所と貼り付け後の表示が異なる場合

コピー元と貼り付け後の表示が想定と異なる場合は、条件付き書式のルールが及ぶ範囲として正しく選択されているか、セルの参照方法に誤りがないかなどを確認します。

条件付き書式をコピーしたフォーマットを使用する2つの方法 

以下では、条件付き書式を利用してコピーする場合の具体例を紹介します。

①同じシートでコピーしたい場合

同一シート内で条件付き書式をコピーしたい場合は、以下の手順で行います。

  1. 範囲選択後、[ホーム]→[書式のみコピー](ハケのマーク)をダブルクリックする
  2. コピー先のセルを選択して、[書式のみコピー](ハケのマーク)をクリックする

コピー&ペーストをする際は、「書式のみコピー」を選択しなければ、コピー元の内容まで貼り付けられてしまうため注意しましょう。

②別のシートへコピーしたい場合

別のシートに条件付き書式をコピーしたい場合は、以下の手順で行います。

  1. 範囲選択後、Ctrl+cや右クリックなどでコピーする
  2. 反映させたいシートを選択→[書式のみ貼り付け]を行う

CtrlやShiftキーを押したままシートを選択して、複数枚のシートが選択された状態で作業を行うと、全ての設定がそれぞれのシート内に保持されます。

条件付き書式をコピーする際の注意点4つ

ここからは、条件付き書式のコピーを行う際の注意点を4つ紹介します。

①相対参照が固定されないように工夫する

相対参照・絶対参照・複合参照をシート内で多用すると、コピーやドラッグなどした際に固定したくない箇所まで固定されることがあります。「$」マークが付いたままドラッグすると$が付いた部分が固定されたまま数式が連なるため注意しましょう。

このような場合は、修正したい箇所のセルを選択して「F4キー」を利用すると、$マークの位置が変更され、参照方法を変更できます。修正箇所が広範囲にわたる場合は、範囲の選択後、「Ctrl+F」で文字列を指定して、文字列置換の機能を利用して一括変換します。

②コピーアンドペーストの選択肢を間違えないようにする

条件付き書式のみをコピー&ペーストする際、貼り付け時には「書式のみペースト」を選択します。「値のみペースト」や「数式のみペースト」と混同しないようにしましょう。

 ③フォーマット変更のたびに書式設定の条件を確認する

関数がついているフォーマット自体の内容が頻繁に変更される場合は、変更の度に書式設定の条件が守られているかを定期的に確認することをおすすめします。相対参照や絶対参照の「行・列・シート名」に着目することや、関数のみ別のシートにまとめておくなどの対策をとるとよいでしょう。

④フォーマットを工夫して関数・数値の記入ミスを防ぐ

最初の一枚目のシートを条件付き書式フォーマットとして、二枚目を作業用、三枚目以降は値のみの記録用などのように保存方法を工夫することで、データの重さや関数の崩れ、数値のコピーミスを防止できます。また、フォーマットを残すことで、変更を加えた後に修正する際にも役立ちます。

まとめ

条件付き書式のコピーを活用することで、表作成やシートの複製などをスムーズに行うことができます。コピーミスや誤表示を防ぐためにも、参照範囲を確認することが重要です。コピー機能をうまく取り入れて、作業の効率化を図りましょう。

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