【Excelを高速化】新関数「LET」の使い方を徹底解説

目次

Excelを高速化する新関数「LET」とは?基本から実践まで徹底解説

こんなお悩みはありませんか?

  • Excelの複雑な数式が読みにくくて困っている
  • 同じ計算を何度も行う数式で処理速度が遅くなっている
  • 数式の修正や更新が面倒で時間がかかっている

もしこれらの悩みに心当たりがあるなら、Excelの新関数「LET」があなたの救世主になるかもしれません。2020年11月にリリースされたLET関数は、Excelのデータ処理を革新的に改善する可能性を秘めています。

この記事では、LET関数の基本概念から実践的な使用方法まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。LET関数を使いこなすことで、以下の2つの大きなメリットを享受できます:

  1. 綺麗で見やすい数式を簡単に構成できる
  2. Excelの計算速度が速くなる

さらに、プログラミングの要素も含まれているので、VBAを学習中の方にもおすすめの内容となっています。それでは、LET関数の世界に飛び込んでいきましょう。

LET関数とは:数式の革命児

LET関数は、Excel内で変数を定義し、その変数を使って計算を行うことができる新しい関数です。主な特徴は以下の通りです:

  • 数式内で一時的な名前(変数)を定義できる
  • 複雑な数式を分かりやすく整理できる
  • 同じ計算を何度も行う必要がなくなり、処理速度が向上する
  • 数式の修正や更新が容易になる

LET関数の基本的な構文は以下の通りです:

=LET(名前1, 値1, [名前2, 値2, ...], 計算)

この構文において、「名前」は変数名、「値」はその変数に割り当てる値や数式、そして最後の「計算」は、定義した変数を使用して行う最終的な計算を指します。

LET関数の基本的な使い方

LET関数の使い方を、具体的な例を通して見ていきましょう。動画で紹介されている例を基に説明します。

例:3科目の平均点と評価

以下のような表があるとします:

名前国語数学英語評価
太郎807570

この表で、3科目の平均点を計算し、その結果に基づいて評価を付けるという課題があります。評価の基準は以下の通りです:

  • 平均点が40点未満:D
  • 40点以上50点未満:C
  • 50点以上70点未満:B
  • 70点以上:A

従来の方法では、以下のような複雑なIF関数を使用していました:

=IF((B2+C2+D2)/3<40,"D",IF((B2+C2+D2)/3<50,"C",IF((B2+C2+D2)/3<70,"B","A")))

この数式では、平均点の計算「(B2+C2+D2)/3」が3回も繰り返されており、読みにくく、修正も困難です。

ここでLET関数を使用すると、以下のようにすっきりとした数式になります:

=LET(avg, (B2+C2+D2)/3, 
    IF(avg<40,"D",
    IF(avg<50,"C",
    IF(avg<70,"B","A")))
)

この数式では、avgという変数に平均点の計算を割り当て、その変数を使って条件分岐を行っています。これにより、以下のメリットが得られます:

  • 平均点の計算が1回で済むため、処理速度が向上する
  • 数式が読みやすくなり、理解や修正が容易になる
  • 平均点の計算方法を変更する場合、1箇所を修正するだけで済む

さらに、数式を見やすくするテクニックとして、Alt + Enterキーを使って改行を入れることができます。これにより、より構造化された数式を作成できます。

LET関数の応用:複数の変数の活用

LET関数は複数の変数を定義できるため、より複雑な計算も整理して行うことができます。以下の例で、その使い方を見てみましょう。

例:売上トップ3の商品を抽出する

以下のような商品と売上のリストがあるとします:

商品売上
商品A1000
商品B1500
商品C800
商品D2000
商品E1200
商品F900

この中から売上トップ3の商品を抽出するLET関数を使った数式は以下のようになります:

=LET(
    rank_range, {1;2;3},
    product_range, A2:A7,
    sales_range, B2:B7,
    INDEX(
        product_range,
        MATCH(
            LARGE(sales_range, rank_range),
            sales_range,
            0
        )
    )
)

この数式では、以下の3つの変数を定義しています:

  • rank_range: トップ3を示す配列 {1;2;3}
  • product_range: 商品名の範囲
  • sales_range: 売上の範囲

これらの変数を使用することで、複雑なINDEX-MATCH関数の構造がより理解しやすくなっています。また、範囲を変更する必要がある場合も、変数の定義を変更するだけで済むため、保守性が高くなっています。

この数式の結果は、売上トップ3の商品名が縦に並んだ形で返されます。例えば:

商品D
商品B
商品E

このように、LET関数を使用することで、複雑な計算も整理され、理解しやすい形で表現することができます。

LET関数による処理速度の向上

LET関数の大きな利点の一つは、計算速度の向上です。動画で紹介されていた実験を基に、その効果を見てみましょう。

実験では、先ほどの評価計算の例を50行に拡張し、LET関数を使用した場合と使用しない場合で処理時間を比較しました。結果は以下のようになりました:

方法処理時間(3回の平均)
LET関数なし約0.0015秒
LET関数あり約0.0012秒

この結果から、LET関数を使用することで処理時間が約20%短縮されていることがわかります。一見わずかな差に見えるかもしれませんが、以下の点を考慮する必要があります:

  • データ量が増えるほど、差が顕著になる可能性がある
  • 複雑な計算や多数の変数を使用する場合、さらに大きな差が出る可能性がある
  • 多数のセルで同様の計算を行う場合、全体の処理時間の短縮効果は大きくなる

したがって、大規模なデータセットや複雑な計算を頻繁に行うExcelユーザーにとって、LET関数の採用は有意義な選択となる可能性が高いです。

LET関数活用のベストプラクティス

LET関数を効果的に使用するために、以下のベストプラクティスを心がけましょう:

  1. 意味のある変数名を使用する:avg, total, rangeなど、内容を適切に表す名前を付けましょう。
  2. 複雑な計算を分解する:大きな計算を小さな部分に分割し、それぞれに変数を割り当てます。
  3. 再利用性を考慮する:同じ計算が複数回使用される場合、それをLET関数の変数として定義します。
  4. コメントを活用する:特に複雑な数式では、各変数の意味や計算の目的をコメントで説明します。
  5. 適度に使用する:シンプルな計算にまでLET関数を使用すると、逆に複雑になる可能性があります。適材適所で使用しましょう。

これらのプラクティスを適用することで、より効率的で保守性の高いExcelソリューションを構築できます。

まとめ:LET関数で Excel 作業を革新しよう

LET関数は、Excel ユーザーにとって画期的な機能です。この新しい関数を使いこなすことで、以下のような大きなメリットを得ることができます:

  • 複雑な数式を整理し、可読性を向上させる
  • 計算の重複を削減し、処理速度を向上させる
  • 数式の保守性を高め、修正や更新を容易にする
  • プログラミング的思考を Excel 内で実現する

特に、大規模なデータセットを扱う場合や、複雑な計算を頻繁に行う業務において、LET関数の威力は絶大です。従来の方法では数分かかっていた処理が数秒で完了するようになるかもしれません。

また、LET関数の使用はVBAやプログラミングの概念を学ぶ良い入り口にもなります。変数の概念や関数の構造化など、プログラミングの基本的な考え方を Excel 内で実践できるのです。

今すぐ始める LET 関数

LET関数の活用は、あなたの Excel スキルを次のレベルへと引き上げるでしょう。以下のステップで、今すぐ LET 関数の活用を始めてみましょう:

  1. 現在使用している複雑な数式を見直し、LET関数で書き換えられないか検討する
  2. 小規模な計算から始めて、徐々に複雑な計算に LET 関数を適用していく
  3. 同僚とLET関数の使い方を共有し、チーム全体の生産性向上を図る

Excel の世界は常に進化し続けています。LET関数はその最前線にある機能の一つです。この機会に LET 関数をマスターし、より効率的で洗練された Excel ユーザーになりましょう。

皆さまの Excel ライフがより豊かで生産的なものになることを願っています。LET関数を使って、新たな可能性を切り開いてください!

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