【基礎・応用】エクセルのピボットテーブルの作成方法・注意点を解説

Microsoft Excel(以下、エクセル)のピボットテーブルは、多項目ある膨大なデータを、関数や数式を使わずに分析できる有用な機能です。うまく使いこなすことで、エクセルを活用したデータ分析の精度を高められます。今回は、このピボットテーブル機能について解説します。

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目次

ピボットテーブルとは|Excelでデータ分析をする際に便利な機能

ピボットテーブルとは、大量のデータから任意の項目について抽出したり、集計・分析を行ったりできるエクセルの機能です。マウスで直感的に操作できるほか、関数や数式を使わずに分析ができるため、使いこなせば効率的にデータの整理ができるようになります。

この機能を使えば、膨大なデータから特定の項目を抜き出して分析する作業を、初心者でも簡単に行うことが可能です。代表的な機能には、「複数の項目ごとに集計する」「項目を入れ替える」「日付ごとに表示する」などがあり、データの整理・分析に役立ちます。

【基礎3STEP】ピボットテーブルの作成方法

ピボットテーブルの作成は、以下のような手順で行います。

  1. ピボットテーブルの元となるデータを作成する
  2. ピボットテーブルをシートに挿入する
  3. ピボットテーブルのデザインを設定する

①ピボットテーブルに使う表を作成する

ピボットテーブルは、エクセルに並べられているデータを使って作成しますが、使用するデータ群には3つの条件が求められます。

▼使用するデータ群の条件

  • 表の一行目にタイトル(見出し)がある
  • 二行目以降、データが空白なく連続している
  • データ以外の余計な入力セルがない

データの表記が統一されていなかったり、異なる表現が使われていたりする場合には、事前に修正しておく必要があります

条件記載画面

②ピボットテーブルを挿入する

次にピボットテーブルを作成します。ピボットテーブル分析をしたいデータの任意のセルを一か所選択した状態で、挿入タブからピボットテーブルを選択します。表示されたダイアログで、データの範囲を確認しましょう。ここで、ピボットテーブルを新しいシート内に作成する場合は「新規ワークシート」を、データと同じシート内に作成する場合は「既存のワークシート」を選択しましょう。

ただし、Excelはワークシートごとに1つのデータを扱うことで、データの管理をしやすくするという目的で利用されるため、「新規ワークシート」に作成することをおすすめします。OKを押すとピボットテーブルが挿入され、フィールドリストウィンドウが表示されます。

「ピボットテーブル」の選択画面

③作成されたピボットテーブルの集計方法とデザインを設定する

挿入されたピボットテーブルは空の状態となっているため、フィールドリストウィンドウからデザインを設定します。ピボットテーブルは5つの要素で構成されています。

▼ピボットテーブルの構成要素

  • 列ラベル
  • 行ラベル
  • 値エリア
  • 作業ウィンドウ
  • レポートフィルター

画面上のセクション配置位置は設定から変えられるため、ご自身の使いやすいようにカスタマイズできますが、今回はデフォルト通り「フィールドセクションが左」「エリアセクションが右」に設置されているという前提で解説します。

画面右上側のフィールドリストに、元データの項目が表示されています。これらを右下のレイアウトセクションに表示されたそれぞれの要素にドラッグすることで、ピボットテーブルに項目を追加できます。

5つの構成の場所を解説した画面

【応用】ピボットテーブルを使用した5つのテクニック

ピボットテーブルをデータ分析に用いる場合に有効なテクニックを5つご紹介します。

①ピボットテーブルのデータを並び替える方法

ピボットテーブルのデータ表示は、項目名の[▼]マーク、フィルターボタンをクリックして、[その他の並べ替えオプション]を選択することで並べ替えができます

値が小さい方から並べる場合は[昇順]、大きい方から並べる場合は[降順]を選択してください。合計の項目のように、フィルターボタンがない場合は、並べ替えたいセルを選択した状態で右クリックをして、[並べ替え]から[昇順]または[降順]を選択します。

②ピボットテーブルの範囲を変更する方法

次に、ピボットテーブルのデータ範囲を変更する方法を見てみましょう。ピボットテーブルを選択して、[ピボットテーブル分析]タブから[データソースの変更]を選択します。表示されたダイアログの[テーブル/範囲]項目の末尾にある[↑]ボタンをクリックして変更したい範囲をドラッグし、【Enter】キーを押します。範囲が変更されたらOKボタンを押して完了です。

なお、元データをテーブルに設定することで、データ範囲を元データの範囲を選択した状態で[挿入]タブから[テーブル]を選択して、テーブル作成ダイアログでOKを押すと、データをテーブルとして設定できます。テーブルとして設定されたデータをピボットテーブルの元データとした場合、元のデータに新しく行が追加されたときも[更新]を行えば、範囲を再設定しなくても反映されます。

③ピボットテーブルを削除する方法

大幅にデータの更新が行われたり、指定した範囲が誤っていたりするなどで、作成したデータが不要になることもあるでしょう。ここでは、一度作成したデータが不要になったとき、指定したピボットテーブルや元データを削除する方法について解説します。

(1)削除したい項目(フィールド)がある場合

ピボットテーブルから項目を削除したい場合は、レイアウトセクションからその項目を選択して、ウィンドウの外にドラッグ&ドロップします。作業ウィンドウ内で項目のチェックを外して削除することも可能です。

(2)ピボットテーブルをすべて削除したい場合

ピボットテーブルをすべて削除したい場合は、該当するピボットテーブルを選択した状態で[ピボットテーブル分析]→[選択]→[ピボットテーブル全体]を選択します。セル上でピボットテーブルがある範囲を選択すれば、「Delete」を押す事でも簡単に削除することができます。

ドラッグでピボットテーブル全体を直接範囲選択してもかまいません。全体が選択されているのを確認したら、Deleteキーを押して削除します。

(3)元のデータを削除したい場合

元データを削除したい場合は、削除したいデータをドラッグして選択して、右クリックメニューから削除を選択してください。データの変更と同様、更新を行うことでデータの削除がピボットテーブルに反映されます。Deleteキーで削除してもかまいませんが、空白の行が存在している場合、ピボットテーブルにも空白の行が反映されます。

④ピボットグラフを作成する方法

ピボットテーブルで抽出したデータをさらにグラフ化すると、結果を視覚的に把握できます。ここでは、ピボットテーブルに連動したグラフの作成方法について解説します。ピボットテーブルを選択して、[ピボットテーブル分析]→[ピボットグラフ]を選択します。あとは[グラフの挿入]ダイアログから任意のグラフを選択するだけです。

ただし、バージョン次第では[ピボットグラフ]の項目が[挿入]タブ以外から選択できないこともあるため、[挿入]タブから追加できるということも覚えておくとよいでしょう。ピボットグラフでは、通常のグラフと異なりグラフ周りにボタンが配置されています。フィルターボタンを使えば、表示したいデータを絞り込んで必要なデータだけをグラフ化できます。

タブからピボットグラフを選択

⑤複数のワークシートで1つのピボットテーブルを作成する方法

複数のシートに分割されたデータを、1つのピボットテーブルにまとめることも可能です。作成したいシート上で[Alt]+[D]+[P]キーを押すと、ピボットテーブルウィザードが表示されます。ウィザード1/3のダイアログで[複数のワークシート範囲]をオンにして次へをクリックし、次のダイアログで[指定]を選択して次へを押します。

次のダイアログで[範囲]にカーソルをおき、指定したいデータをドラッグします。この際、合計値を範囲に含めないようにしてください。[追加]を押すと、範囲一覧にデータが追加され[ページフィード名を指定してください]と表示されるため、1を指定して[フィールド1]にはフィールド名を入力します。

以後、2,3と同様に追加します。フィールドは4つまで追加することが可能です。作成後は、フィールドを削除・追加することもできます。

ピボットテーブルを使用する際の注意点2つ

ピボットテーブルは便利な機能である一方で、注意すべきことがいくつかあります。注意点についてきちんと理解しておけば、エラーや不具合のように感じたことにも簡単に対処ができるでしょう。この章では、3種類の注意点について解説します

①ピボットテーブルのデータを更新する方法

ピボットテーブルは、元のデータを変更してもテーブルは自動更新されません。元データの変更に合わせて、手動で変更する必要があります。ピボットテーブルのセルを選択した状態でツールを選択して、[ピボットテーブル分析]タブの更新をクリックすることで、ピボットテーブルに変更内容が反映されます。

1つのデータから複数のピボットテーブルを作成している場合は、更新されるのはアクティブなピボットテーブルのみとなります。複数を同時に更新するには、[更新]のプルダウンメニューから[全て更新]を選択してください。手動で更新する方法のほかにも、マクロを用いて自動更新する手法もあります。

②エラーが出て正しく作成されない場合|表の条件を見直す

前述のとおり、ピボットテーブルでは参照する元データに条件があります。

  • 指定した範囲で、先頭行がタイトル行である
  • 途中に空白セルや空白行がない
  • 結合セルがない

エラーが発生する場合、元データにこれらの不備がないかをチェックしましょう。データを修正した場合は、更新を行わないとピボットテーブルに反映されないため注意が必要です。

③日付が年単位で集計され日別で分析できない場合|グループの解除をする

ピボットテーブルでは、日付のフィールドを行エリアや列エリアに配置すると、自動的に月単位あるいは年単位にグループ化して集計されます。そのため、日単位で分析を行いたい場合はグループ化を解除する必要があります。グループ化を解除する際は、「行ラベル」もしくは「列ラベル上」で右クリックして、グループ化解除を選択してください。

また、[Excel のオプション] において[データ]  [データ オプション] を選択して、[ピボットテーブルで日付 / 時刻列の自動グループ化を無効にする] のチェックをオンにしておくことで、初めからグループ化されていない状態で出力できます。

グループ解除画面

まとめ

ピボットテーブルは関数や数式、マクロを使わずに膨大なデータを一括処理できる優れた機能です。ピボットテーブルを使うことでデータを有効に活用できるだけでなく、効率的に分析を行うことが可能です。ぜひ日々の業務にお役立てください。

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