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【動画付き・初級編】Excelでデータ管理するなら覚えておきたい基本機能4選
- 表示形式(書式設定)の使い方
- グラフ・チャートの使い方
- 基本的なエラー5つ
- 理想の印刷方法
「Excelは自己流でなんとなく使えているけど、もっと有効活用したい……」と考えている方も多いのではないでしょうか。
ついつい抜け落ちてしまいがちな基本機能をきちんとマスターすることで、Excelの活用度がぐんとアップすることもあります。
そこで本記事では『Excel初級編』として、Excelの表示形式、グラフ、エラー回避、印刷設定の4つの機能についてご紹介します。
どれも、実務でExcelを使う方にとってとても重要な基本機能ですので、ぜひマスターしてみてください。
本記事はYouTube『Youseful / 人材教育の教科書』チャンネルより、以下の動画を記事
にまとめたものです。動画だけではなく、テキストで復習したい方もいるはず。全38の記事と動画を組み合わせて、Excelの基本操作をマスターしていきましょう。
▼前回のExcel超入門編では、画面の見方や入力方法など「Excelの基本の使い方」についてご紹介しています。
表示形式
まずは1つ目のテーマ、「表示形式」についてご紹介します。
書式設定では、日付のほかにも通貨やパーセンテージなど、そのデータが見やすくなる工夫を施すことができます。
表示形式を設定することで、データの中身は変えないままデータの見せ方を変えることができるのです。
日付の書式設定
たとえば、あるセルに「2020年7月1日」などの日付を記入してEnterキーを押すと、「2020/7/1」とスラッシュ(/)を含んだ自動的に変換された経験はありませんか。
これは、日付の書式設定が「××××/×/×」のかたちで表示されるよう、書式設定がなされているからなのです。
では、書式設定を変更する方法を見ていきましょう。
ここでは、「2020/7/1」という日付の書式設定を「2020年7月1日」の形に変更してみます。
- データを含んだセルを選択する
- Ctrl+1を押す
~セルの書式設定ダイアログ>書式設定タブが開く~ - 「分類(C)」>「日付」をクリック
~「種類(T)」で「2012/3/14」が設定されている~ - 「2012年3月14日」を選択
- [OK] をクリック
これで、日付の書式設定を「××××/×/×」から「××××年×月×日」に変更することができました。
もしくは、以下の手順で「令和××年×月×日」のかたちに変更することも可能です。
4. 「カレンダーの種類(A)」で「和暦」を選択
5. 「平成24年3月14日」を選択
6. [OK]をクリック
小数点と%の書式設定
次に、小数点と%の変更方法について、ご紹介します。
以下のシートを例に説明します。
2019年の店舗別の売上実績がまとまっており、実際の売上高と目標額が記載されています。
この表から、「合計売上高に対するその店舗の売上の構成比」を%で求めたいとします。
まずは、1店舗目である札幌店の構成比を出してみましょう。
- E4セル(札幌店の構成比)を選択
- 「=」を記入
- C4セル(札幌店の売上高)をクリック
~E4セルの記入内容が「=C4」になる~ - 「/」(スラッシュ)を記入
- C14セル(合計売上高)をクリック
~E4セルの記入内容が「=C4/C14」になる~ - Enterをクリック
これで、合計売上高に対する札幌店の売上高「0.03778219」を求めることができました。
しかし現在、小数点以下がとても長くなっており、細かい数値がでています。
そこで、小数点以下を調整してみましょう。
- 小数点以下を調整したいセル(範囲)を選択
例:E4セル - メニューバー>「ホーム」タブ>「数値」セクション>「 .00→.0」(小数点以下の表示桁数を減らす)をクリック
~小数点以下の表示範囲が1桁減る~
「.00→.0」を任意の小数点以下の桁数になるまで繰り返しクリックすることで、小数点以下を四捨五入しながら減らすことができます。
反対に、「.0→.00」をクリックすると、小数点以下の桁数を増やすことができます。
もしくは、セルの書式設定ダイアログ上でも調整可能です。
- 小数点以下を調整したいセル(範囲)を選択
例:E4セル - Ctrl+1をクリック
- 「分類(C)」>「数値」をクリック
- 「小数点以下の桁数(D)」で任意の桁数を設定
- [OK] をクリック
では、いよいよ小数点を含む数値を%(パーセンテージ)に変更してみましょう。
- 小数点以下を調整したいセル(範囲)を選択
例:E4セル - メニューバー>「ホーム」タブ>「数値」セクション>「%」(パーセントスタイル)をクリック
これで、数値から%に変更することができました。
桁区切り
最後に、1000の値ずつに「,」をつける桁区切りの方法についてご紹介します。
Excelでは、1000を超える大きな数値では、「0」3つごとに「,」で区切るのが一般的です。
たとえば、現在D列は「2000」などとなっていますが、これを「2,000」に変換するとします。
- 小数点以下を調整したいセル(範囲)を選択
例:D2セル~D14セル - メニューバー>「ホーム」タブ>「数値」セクション>「 ,」(コンマ)をクリック
ショートカット:Ctrl+Shift+1
~数値の3桁ごとに「,」がつく~
これで、「2000」から「2,000」など、数値を3桁ごとに「,(コンマ)」で区切ることができました。
この桁区切りは、Excelで数値を記載する際の最低限のマナーなので、最優先でマスターしておきましょう。
グラフ・チャートの使い方
次に2つ目のテーマ、「グラフとチャートの正しい使い方・見せ方」についてご紹介します。
グラフにはたくさんの種類があり、それぞれに適した特徴や表示させるべき情報があります。
今回は、基本的な4つのグラフをピックアップしてご紹介します。
円グラフ:全体から見た構成比を確認
1つ目は円グラフです。
円グラフは、全体から見た構成比を確認したい場合に便利なグラフです。
今回は、①渋谷②新宿③銀座④表参道の4店舗の売上を100とした場合の、それぞれの店舗売上の構成比を確認してみます。
- グラフにする範囲のセルを選択
(例:A10~B13) - メニューバー>「挿入」タブ>「グラフ」セクション>円グラフの挿入をクリック
- 「2-D円」をクリック
~シート上に円グラフが作成される~
これで、指定した範囲の情報についての円グラフを作成することができました。
ただ、初期段階ではかなり簡素なデザインになっており、情報が見にくいので、ここからさらに円グラフのデザインを整えていきます。
4. 「グラフタイトル」を任意のタイトルに変更する
(例:東京店舗売上比較)
5. グラフをクリック
~右上に3つのアイコンが表示される~
6. 「🖌」(グラフのスタイル)アイコン(真ん中)をクリック
7. 任意のスタイルを選択
(例:パーセンテージが表記されているもの)
~円グラフ上に%が表示される~
8. グラフを右クリック
~各種項目が表示される~
9. 「データラベルの書式設定」をクリック
~画面右側に「データラベルの書式…」というエリアが表示される~
10. ラベルのオプション>ラベルの内容>「セルの値(F)」にチェック
~データラベル範囲ウィンドウが開く~
11. 表示したい値の範囲を選択
(例:B10~B13)
12. [OK] をクリック
~円グラフ上に値が表示される~
13. ラベルのオプション>ラベルの内容>「分類名(G)」にチェック
~円グラフ上に店舗名が表示される~
14. 円グラフ下の軸ラベルを選択
15. Back Spaceキーをクリック
~円グラフから軸ラベルが削除される~
これで、必要な情報がぱっと見やすい円グラフにデザインを整えることができました。
さらに、「一番売上の多い店舗を目立たせたい」など、1つのピースを強調したいという場合は、
- ピースをダブルクリック→少し外側にドラッグ&ドロップすることで、ピースの位置を切り離して強調する
- ピースを右クリック→「塗りつぶし」をクリック→任意の色を選択することで、ピースの色のコントラストで強調する
などの方法があります。
棒グラフ:大小を比較
次に、大小を比較する際に便利な棒グラフの使い方についてご紹介します。
今回は、全店舗の売上を比較していきます。
- グラフにする範囲のセルを選択
(例:A8~B19) - メニューバー>「挿入」タブ>「グラフ」セクション>縦棒/横棒グラフの挿入をクリック
- 「2-D縦棒」>「縦棒」(一番左)をクリック
~シート上に縦棒グラフが作成される~
これで、各店舗の売上についての縦棒グラフを作成することができました。
しかし、現在は各店舗の売上高の数値が見えていないなど、必要な情報が見づらいため、ここからデザインを整えていきます。
4. グラフをクリック
~右上に3つのアイコンが表示される~
5. 「+」(グラフの要素)アイコン(一番上)をクリック
6. 「データラベル」にチェック
~棒グラフ上に各店舗の売上高が表示される~
7. 縦軸をクリック
~画面右側に「軸の書式設定」というエリアが表示される~
8. 軸のオプション>「最小値(N)」に最小値を入力
(例:3000)
~棒グラフの最小値が変更され、売上の大小がより明確になる~
これで、棒グラフのデザインも整えることができました。
さらに、「売上が○○万円以上の店舗を目立たせたい」など、一部のピースを強調したいという場合は、ピースを右クリック→「塗りつぶし」をクリック→任意の色を選択することで、ピースの色のコントラストで強調するとよいでしょう。
折れ線グラフ:量の増減を確認
3つ目は折れ線グラフです。
ここからは、以下のシートを例に説明します。
2017〜2020の4つの年度それぞれの、スーツ(C列)、ネクタイ(D列)、カバン(E列)の売上の推移がまとめられています。
このデータを折れ線グラフにしていきます。
- グラフにする範囲のセルを選択
(例:C3~E7) - メニューバー>「挿入」タブ>「グラフ」セクション>折れ線グラフの挿入をクリック
- 「2-D折れ線」>「折れ線」(一番左)をクリック
~シート上に折れ線グラフが作成される~
これで、スーツ・ネクタイ・カバンの売上の推移を示す折れ線グラフを作成することができました。
折れ線グラフにすることで、
- スーツ(青線)の売上は年々上がっていて
- ネクタイ(オレンジ線)の売上は年々下がっている
ということが一目でわかります。
ただ、現在横軸は「1」「2」「3」「4」となっており、意図した「2017」「2018」「2019」「2020」となっていません。
そこでデザインを修正していきます。
4. 横軸をクリック
5. メニューバー>「グラフのデザイン」タブ>「データ」セクション>「データの選択」を
クリック
~データソースの選択ダイアログが開く~
6. 「横(項目)軸ラベル(C)」>「編集(T)」をクリック
~軸のラベルダイアログが開く~
7. 軸ラベルのセル範囲を指定
(例:B3~B7)
8. [OK] をクリック
これで、横軸を「2017」「2018」「2019」「2020」と正しく表示することができました。
帯グラフ:構成比の変化
4つ目は、帯グラフです。
帯グラフは、構成比の変化を確認することに長けているグラフです。
- グラフにする範囲のセルを選択
(例:C3~E7) - メニューバー>「挿入」タブ>「グラフ」セクション>縦棒/横棒グラフの挿入をクリック
- 「2-D横棒」>「積み上げ横棒」(真ん中)をクリック
~シート上に帯グラフが作成される~ - グラフをクリック
~右上に3つのアイコンが表示される~ - 「+」(グラフの要素)アイコン(一番上)をクリック
- 「データラベル」にチェック
~帯グラフ上に各店舗の売上高が表示される~
これで、年度別のスーツ・ネクタイ・カバンの売上の構成比を示す帯グラフを作成することができました。
それぞれの年度の売上高に、どの商品がどれぐらい貢献しているのかをわかりやすく表示できます。
しかし、先ほどの折れ線グラフで「スーツの売上は上がっていて、ネクタイの売上は下がっている」ということがわかったにもかかわらず、現在の帯グラフでは「スーツの売上が下がっていて、ネクタイの売上が上がっている」ように見えているという問題があります。
これは、横軸のラベルを確認すると原因がわかります。
7. 横軸をクリック
8. メニューバー>「グラフのデザイン」タブ>「データ」セクション>「データの選択」をクリック
~データソースの選択ダイアログが開く~
9. 「横(項目)軸ラベル(C)」>「編集(T)」をクリック
~軸のラベルダイアログが開く~
10. 軸ラベルのセル範囲を指定
(例:B3~B7)
11. [OK] をクリック
これで、横軸を年代順で正しく表示することができました。
すると、2020年が先(上)にきて、2017年が後(下)にきており、意図した年度の順番とは逆に表示されていることがわかります。
そこで、意図していた2017→2018→2019→2020に順番を修正していきましょう。
12. 横軸をクリック
~画面右側に「軸の書式設定」というエリアが表示される~
13. 軸のオプション>軸位置>「軸を反転する(C)」にチェック
これで、年度の順番を2020→2019→2018→2017から、2017→2018→2019→2020に修正することができました。
しかし、この操作に付随して、グラフ下にあった縦軸がグラフの上に移動してしまいました。
そこで、軸の表示をグラフの下に戻していきます。
14. 縦軸をクリック
~画面右側に「軸の書式設定」というエリアが表示される~
15. 「ラベル」>「ラベルの位置(L)」で「上端/右端」を選択
これで、軸の位置をグラフの下に戻すことができ、意図する帯グラフを表示することができました。
基本的なエラー5つ
3つ目のテーマは、基本的なエラーです。
ここでは、基本的な5つのエラー表示の意味と対処法をご紹介します。
それぞれのエラーの意味と対処法をしっかりと理解して、エラーが表示された場合にも素早く冷静に対処できるようにしておきましょう。
#DIV/0
表記:#DIV/0
意味:割り算をした際の分母が0になっている
対処法:計算式を確認する
- セルの入力内容を確認
ショートカット:F2キー - 分母の部分に値が「0」のセルもしくは空白セルが入っていないかを確認
- 分母を正しいセルに変更
Excelでは、空白セルは値「0」として扱われます。
分母に「0」もしくは空白セルを入れないように注意しましょう。
#NAME?
表記:#NAME?
意味:関数名の間違い、文字列の指定ミス
対処法:計算式を確認する
- セルの入力内容を確認
ショートカット:F2キー - 関数名のスペルミスに間違いがないか確認
- 正しい内容に変更
関数の名前を間違えると、正しく計算できずエラーになってしまいます。
たとえば、AVERAGE関数を使うときに「=average」が「=averege」と誤字になっていると#NAME?とエラーが出てしまいます。
関数では、「=」以降途中まで打つと関数の候補が表示されるので、その候補から任意の関数をTabキーで選択することでスペルミスを防ぐことができます。
#NULL!
表記:#NULL!
意味:指定のセル範囲に共通部分がない
対処法:「:」や「、」が含まれていないか確認する
- セルの入力内容を確認
ショートカット:F2キー - セルの範囲指定の形式に間違いがないか確認
- 正しい表記に変更
セル範囲の指定には特定のフォーマットがあり、記入方法を間違えると正しく計算できずエラーになってしまいます。
たとえば、
- 複数のセルを指定する際、「A1,A2,A3」ではなく「A1、A2、A3」となっている(コンマ区切りではなく読点区切りになっている)
- 複数のセルを指定する際、「A1,A2,A3」ではなく「A1 A2 A3」となっている
(コンマ区切りではなくスペース区切りになっている) - セル範囲を指定する際、「A1:A3」ではなく、「A1;A3」となっている
(コロンではなくセミコロンになっている)
などは入力ミスなので、#NULL!とエラーが出てしまいます。
#VALUE!
表記:#VALUE!
意味:入力した数式・参照元セルに問題がある
対処法:計算式を確認する
- セルの入力内容を確認
ショートカット:F2キー - 数式や参照したセルに問題がないか確認する
- 正しい内容に変更
たとえば、「=D4-D3」と入力内容がなっていた際に、D3には「ネクタイ」という文字列、D4には「300」という数値が記入されていたとします。
するとエラーが出ているセルは「=300-ネクタイ」と意味の通らない計算式になっているので、#VALUE!とエラーが出てしまいます。
#VALUE!が表示された場合は、参照元のセルの内容も確認してみましょう。
######
表示:######
意味:列幅が足りない
対処法:列の幅を広げる
このエラーが表示された場合、入力内容自体には問題ありません。
列の幅が狭すぎて値を正しく表示できないということを示すエラーなので、列の幅を広げましょう。
理想の印刷方法
最後のテーマは、理想の印刷方法です。
ここでは、以下のデータを使ってご紹介します。
ある高校の、各生徒・各教科の期末考査の結果がまとまっています。
印刷をする際に最初にすべきことが、保存です。
- 上書き保存する
ショートカット:Ctrl+S
最新のシート内容を保存できたら、印刷設定に移ります。
- 印刷設定を開く
ショートカット:Ctrl+P
~印刷画面に遷移する~ - 画面右側に表示されるプレビューを確認する
ここまで操作してプレビューを確認すると、現在の印刷設定には以下の3つの問題があることがわかります。
- シート右側が大幅に白紙で空いている
- 2ページ目に2行だけまたがっており、中途半端になってしまっていること
- 2ページ目に各行の見出しがなく、見づらいこと
上記の3つの問題を、「表示」タブと「ページレイアウト」タブの2つを使って解決していきます。
- メニューバー>「表示」タブ>「ブックの表示」セクション>「改ページプレビュー」をクリック
~シート上にページ番号が表示される~ - 右端の青線をP列の右側からI列の右側までドラッグする
~印刷される幅が変更される~ - メニューバー>「表示」タブ>「ブックの表示」セクション>「標準」をクリック
- 改行したい列を選択
(例:34行=31番目の生徒) - メニューバー>「ページレイアウト」タブ>「ページ設定」セクション>「改ページ」をクリック
- 「改ページの挿入(I)」をクリック
~指定した行から、ページが分けられる~ - メニューバー>「ページレイアウト」タブ>「ページ設定」セクション>「印刷タイトル」をクリック
~ページ設定ダイアログが開く~ - 「タイトルの行(R)」でタイトルに指定したい部分を選択
(例:$3:$3) - [OK] を選択
~2ページ目以降の最上部にタイトル指定した行が表示される~
今回は行数が多いため2ページに分けました。
1ページにまとめたいという場合は、「改ページ」をせずに、メニューバー>「ページレイアウト」タブ>「拡大縮小印刷」セクション>「縦」で「1ページ」を選択することで、すべての行を1ページにまとめて印刷することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
本日はExcel初級編ということで、
- 表示形式
- グラフ・チャートの使い方
- 基本的なエラー5つ
- 理想の印刷方法
の4つのテーマについてご紹介しました。
次回記事では、「Excel中級編」として、セル参照や関数などの4つのテクニックをご紹介します。