エクセルで使える勤務時間計算テンプレートをご紹介|勤怠管理表を自作する方法も解説

エクセル勤務時間計算テンプレート紹介記事

近年、勤怠管理は手書きやタイムカードの機械を使用した打刻方法から、インターネット上でデジタル管理をする方法へと進化しています。この記事では、多くの企業が導入しているエクセルを使用して、勤務時間を計算する方法についてご紹介します。

サンプルデータを使って練習がしたい・・・という方向けに、本記事で使用しているデータをダウンロードできるようにご準備しております!こちらからダウンロードしてみてください。

目次

無料で利用できるエクセルの勤怠管理テンプレート3選

エクセルで勤怠管理をしたいものの、どのように作成すればよいか分からない場合には、作成済みのテンプレートを使用する方法がおすすめです。インターネット上にはさまざまなテンプレートが存在しており、用途・目的別に分類されています。

今回は、数多くのテンプレートのうち、無料で使えるテンプレートを提供しているサイトをまとめました。

MicrosoftOfficeオンラインテンプレート

Microsoft社が提供するオンラインテンプレートです。 Excel公式のテンプレートのため、互換性に長けており高品質シンプルなデザインが揃っています。

テンプレートの種類は、ほかのテンプレート提供サイトと比べて少なめですが、勤怠管理表の種類が豊富で、タイムカードは年間単位から月間、日単位まで展開されています。利用したいテンプレートの種類が決まっている場合には、便利に扱えるでしょう。

ビズオーシャン

ビズオーシャンは、勤怠管理表はもちろん、ビジネス上で使えるエクセルのテンプレートが豊富に用意されているサイトです。エクセルだけではなく、ほかのソフトに対応したテンプレートが探せることも特徴です。

それぞれのテンプレートに口コミが投稿されており、実際に使用したユーザーの使い勝手や感想などを見ながら、自社に合ったテンプレートを選べます。一部有料のものもあるため、使用する際には注意が必要ですが、無料のものに絞った検索もできます。

ユースフルの勤怠管理表テンプレート

弊社でも勤怠管理表のテンプレートを作成しています。ユースフルの勤怠管理表テンプレートでは、一般的な勤怠管理表が持つ多くの機能を備えています。自社で勤怠表が必要な場合や、勤怠表を制作しようとしている場合にはぜひ活用いただければ幸いです。

また、ユースフルではExcel、Wordやその他Microsoftツール、ChatGPTなどの法人研修を実施しています。研修にご興味がある企業のご担当者様は以下よりお気軽にお問い合わせください。

勤務時間の計算方法

勤務時間を計算する最も簡単な計算式は、以下のとおりです。

[=「終了(退勤)時刻のセル」-「始業時刻のセル」-「休憩時間のセル」]

この式を勤務時間のセル欄へ入力すると、自動的に勤務時間が計算されます。表として作成するときには、オートフィル機能を使用するとよいでしょう。この際、表示形式については注意が必要です。計算をする表の時刻は、[セルの書式設定]を開き、値の表示形式を[時刻]に、種類を[●●:●●]の形式へ変更する必要があります。あらかじめ設定しておくことをおすすめします。

計算式入力一連の流れ

勤怠管理表を自作する3つの手順

エクセルで勤怠管理ができるテンプレートではなく、勤怠管理表を自作したい場合には、ある程度の知識が必要です。ここでは基本的な勤怠管理表の作成方法をご紹介します。

勤務時間データを表にまとめる

勤務時間を計算するには、勤務時間のデータが必要です。データとして用意する項目には「日付」「曜日」「始業時間」「退勤時間」「休憩時間」「実働時間」「残業時間」などがあります。

必要な項目は、職場の勤務形態によって異なるため、分からない場合はテンプレートを参考にするとよいでしょう。表の内容を記録したあとは、その後の誤入力を防ぐために、入力したセルのロックをしておくことをおすすめします。特定の従業員が勤怠表の入力を行う場合は、合わせてパスワードを設定しておくとよいでしょう。

セルのロックをする画面

作成した表を使って必要項目を計算する

計算に必要なデータを入力したら、実働時間・残業時間・時間外労働時間など、給与計算に必要な項目を計算します。前提としておさえておきたいことは、エクセルの時刻はシリアル値という、24時間(1日)を1とする数値で表すという点です。通常通りに計算してしまうとエラーになってしまう場合があるため注意しましょう。

エラーを防ぐために、[セルの書式設定]ダイアログを開き、表示形式を標準からユーザー定義の「[h]:mm」へ変更する作業が必要です。SUM関数を使用すると、簡単に勤務時間や休憩時間の合計を計算できます。基本的な計算方法として覚えておきましょう。

SUM関数を使用して勤務時間の合計を計算する画面

バックアップを取る

勤怠管理表は、従業員の給与を支払うにあたって重要な記録となります。また、労働基準法で書類の保管期間が決まっているため、バックアップの取得は必ず行いましょう。パソコン本体に保存するだけでなく、USBや外付けハードディスクなどにファイルをコピーしておき、万が一パソコン内のデータが消失してしまっても復元できるようにしておくことが重要です。

また、エクセル内[ツール]もしくは[校閲]にある[変更履歴の記録]を利用すると、万が一、データが消失してしまったときに「誰がどこまで入力していたか」を確認できるため便利です。[変更履歴の記録]は、バージョンによって非表示の場合があります。その場合は、[リボンとツールバー]オプションから追加してください。

シーン別においての勤怠管理表の作り方4選

勤怠管理をしていると、基本的な勤務時間の計算以外にも、さまざまな計算が必要になる場合があります。ここからは、シーン別の勤怠管理表の作り方をご紹介します。使用する関数も異なるため、必要に応じて使いやすい方法を取り入れましょう。

休憩時間が一定の場合の作成方法

休憩時間が決まっている場合は、TIME関数を使用して計算すると便利です。一度セルに入力しておけば、自動的に決まった休憩時間を引いたうえで実働時間を算出できます。TIME関数は、[TIME(時間,分,秒)]で成立する関数で、以下の計算式を入力します。

「=「終了(退勤)時刻セル」-「始業時刻セル」-[TIME(休憩の時間,休憩の分,休憩の秒)]

計算した結果が時刻で表示されないときは、表示形式を「時刻」へ変更しましょう。

勤務時間の合計が24時間を超える場合の表示方法

1か月や1週間の勤務時間の合計が24時間を超える場合、複数の日分と認識されてしまい、正しく時間が表示されなくなってしまいます。このような場合、以下の作業が必要です

合計時間のセルで[セルの書式設定]画面を開き、[分類]一覧から[ユーザー定義]を選択右側へ表示された[種類]ボックスの入力バーに[[h]:mm]と入力して設定完了勤務時間の合計が正しく表示されているか確認する

類似した表示形式に[h:mm]がありますが、これは時刻を意味しており、24時間を超える表示ができません。例えば、25:00と入力すると「1:00」と変換されてしまいます。一方で[[h]:mm]は、経過時間を意味しています。例えば、25:00と入力した場合は、そのままの時間の数値で表示できるようになります。

また、合計勤務時間の表示形式を「●時間○分」と日本語表記にしたい場合は、[[h]”時間”m”分”]と入力すれば、日本語で表示できます。併せて頭に入れておくと便利です。

勤務時間が日付をまたぐ場合の表示方法

勤務時間のうち、終了時刻が日付をまたぐ場合、基本的な計算方法だけではマイナス表示になってしまいエラーが出てしまうため、以下のようにIF関数を使用して計算をします。

=「終了(退勤)時刻セル」-「始業時刻セル」-「休憩時間セル」+IF(終了時刻セル-始業時刻セル<0,1,0)

シリアル値では、24時間(1日)が「1」として表示されるため、計算した勤務時間が0を切る場合に、24時間(1日)足して計算する関数を入れる必要があります。計算後は、表示形式を②の方法で[[h]:mm]に変更して、正しく表示されているか確認します。

計算式がセルに入力された画面

勤務時間を15分単位で表示する方法

企業では、勤務時間15分単位で計算するケースが多く見られます。勤務時間が計算されやすい時間単位で表示されるようにすると、勤務時間の合計や給与を計算する際に便利です。勤務時間を15分単位で切り上げる場合と、切り捨てる場合で方法が異なるため、分けてご紹介します。

勤務時間を15分単位で切り上げる場合

勤務時間を15分単位で切り上げる場合、数値を切り上げる関数となる「CEILING関数」を使用して計算します。計算後は、時刻が正しく表示されているかを確認しましょう。

=CEILING(終了時刻セル-始業時刻セル-休憩時間セル,”0:15″)
計算式をセルへ入力した画面

勤務時間を15分単位で切り捨てる場合

勤務時間を15分単位で切り捨てる場合、数値を切り捨てる関数となる「FLOOR関数」を使用して計算します。こちらも計算後に、時刻が正しく表示されているかの確認が必要です。

=FLOOR(終了時刻セル-始業時刻セル-休憩時間セル,”0:15″)
計算式をセルへ入力した画面

エクセルで勤務時間計算をする際によくある質問

エクセルで勤務時間を計算する際に、覚えておくと便利な関数とそれらを使った計算方法についてご紹介しました。ここからは、勤務時間を計算するにあたってよくある質問と対処法についてお伝えします。

勤務時間が正しく表示されない場合の対処法

エクセルの時刻はシリアル値として扱われているため、表示形式を時刻へ変更する必要があります。また、勤務時間の合計にエラーが生じる場合、前述したように表示形式が[[h]:mm]に指定されているかを確認しましょう。

このような変更作業を計算前に行っていたとしても、同じ式をまとめてコピーすると値にエラーが表示される場合があるため、コピーしたあとは時間の数値を必ず確認することが重要です。この作業を習慣化しておくと、万が一ミスしてしまったときもすぐに修正できます。

表示形式を時刻へ変更する

フレックス勤務体制の場合の対処法

フレックス勤務体制の勤務時間は、「必ず働かなければならない時間帯」と「従業員の裁量で労働を決められる時間帯」の2通りの勤務時間があるため、エクセルの計算が複雑になってしまいがちです。

通常の勤務形態と同じ関数を駆使して計算する方法はありますが、入力ミスが出ると修正に時間を要してしまうため効率的とはいえません。フレックスの勤務制度を導入している職場では、勤怠管理システムテンプレートを使用して、入力ミスを防ぐ方法がおすすめです。

給与を計算したい場合の計算方法

勤務時間に応じて給与も合わせて計算したい場合は、少し計算式に工夫が必要です。合計した勤務時間に時給をかけた計算式のみでは、シリアル値という問題があるため正しく表示されません。前述したように、シリアル値は24時間(1日)を「1」とします。このため、シリアル値に24をかけて時間の表示に直す計算式が必要です。

具体的には、以下の式で計算できます。

=「時給(時給が入力されたセルがあればセルを指定)」*「合計勤務時間セル」*24

まとめ

今回は、エクセルを使用して勤務時間を計算する方法を解説しました。エクセルで勤怠管理ができれば事務作業の負担を削減できます。ただし、エクセルの特性上、1字でも計算式を間違えるとすべてエラーになってしまい正しく計算ができなくなってしまいます。従業員の給与計算にも支障が出るほか、事務作業が効率がかえって悪くなってしまう可能性もあるのです。エクセルを用いた業務生産性の向上に興味がある企業の皆様は、メンバーのスキルアップ研修を検討してみてはいかがでしょうか?

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